三井農林と共同研究
茶ポリフェノールから臭いの少ない
特殊肥料『収穫祭・茶葉ぼかし』を開発。
有効成分を多量に含んだ抽出残渣をリサイクルするために。
『茶ポリフェノール含有有機質肥料』の開発のため、平成3年に三井農林と生産業務の提携をいたしました。三井農林は、『デイリークラブ ティーバッグ』などで有名な日東紅茶の製造元となります。山梨県にある同社の清涼飲料工場・須玉工場では、液体飲料の製造工程で抽出後の茶殻が相当量排出されます。この抽出残渣を単に廃棄するだけでなく、何かにリサイクルできないかという想いから、この事業はスタートしました。
紅茶などの茶殻はもともと乾燥葉であり、セルロース、アミノ酸等の養分、カテキン類の有効成分が抽出後も豊富に含まれています。茶殻にも茶の渋みや苦みの成分であるポリフェノールが相当量残っており、そのまま廃棄するにはもったいない茶飲料副産物でした。
嫌な臭いがほとんどない特殊肥料が完成。
先述の茶ポリフェノールは、臭いの成分を吸着させるなど、茶カテキンの消臭作用があります。この茶殻の養分を利用して無臭の有機質肥料を作ることで、『畜産公害の解消』『飲料工場残渣の利用』『有機物による地力の回復』など、さまざまな問題解決が可能となります。この事業を農業分野で試験的に活用するパートナーとして選ばれたのが、私たち黒富士農場でした。
平成4年にパイロットプラントが建設され、その後幾度も研究を重ねて完成したのが茶ポリフェノール含有有機質肥料『収穫祭・茶葉ぼかし』です。この特殊肥料には嫌な臭いがほとんどなく、果物や野菜の栽培農家に安心してご使用いただける製品となりました。